こんにちわ、心理カウンセラーの澤田です。
あなたは他人の気持ちや顔色の変化に敏感に反応していませんか?それともあまり周りの人の気持ちや顔色の変化にイチイチ気にならないでいますか?
何が違うのかというと、
自分軸でいられていない状態、つまり他人軸になっているか、いないかの状態の違いです。
こんな事を書いていますが、以前の私は前者で、他人軸になっていました(^^;)
他人を気遣えることは素晴らしいことですよね。他人を思いやることができる、その人が優しいからゆえに反応してしまうのです。
ただ、他人である周囲の気持ちや顔色を見て、空気を読んで不穏な状況にならないように常に気を張っている状態が続くと、健康を左右することに繋がります。そればかりか、相手の気持ち、機嫌を損ねないように自己を知られないように表情を隠して、おとなしく言われるがまま我慢したままでいると、なぜか搾取したり、利用しようとする人が集まってくることに気づかないのです。おそらく、長年の癖で無意識に反射的な反応として、相手の表情を読み取り、敏感な反応になってしまっている人も多いでしょう。
職場で話しているとき、ちょっと相手の表情がくもったり、楽しそうでないと「機嫌を悪くしてしまったかな?」「何か、私に気に障るようなことを言ってしまったかな?」「あれ、私もしかしたら嫌われている?」
と、相手がどう思ったのかが気になり、あれこれ考えてしまい、家に帰っても気になって、引きづってしまったりするのです。
しかし、自分に対して、まずは優しく出来ていないと本当の意味では他人を優しくすることなんて難しいのです。
なぜなら、他人に対して敏感に気遣って親切心を喜ばれたとしても、自分自身を満たしてあげることが出来ていなければ自身のこころは悲しく、空虚感だけが残るのです。
気遣いや相手の感情を読み取る傾向のある人は自身の感情を表に出すことを良くないことと捉え感情を内に秘めるので、相手ばかりに目がいき、自身がなおざりになっているのです。
愛着障害になっている愛着の傷にはさまざまなものがあります。その背景には・幼いころに親に捨てられたこと・親と死別したこと・親と離れ離れに暮らさなければならなかったこと・親から放っておかれたり虐待されたこと・親の離婚やけんかを目の当りにしたこと・親が自暴自棄なふるまいをしたこと・親が自殺をはかったこと・再婚などにより親の愛情が他の存在に奪われたこと・親からいつも否定されたこと・親の都合や期待ばかり押し付けられたこと様々なものがあります
あるクライアントさんの事例です。
独立起業し、自立を果たしたクライアント(Aさん)の悩みはパートナーに対して信用ができず攻撃的になり時には怒りを爆発させて自身をコントロールできないことでした。
ヒアリングを進めていくと、Aさんの母親はいつも自分よりも弟の方を可愛がってAさんは理不尽な扱いを受けていたようでした。弟がわるさをしたにも関わらず、一方的にAさんが悪いと決めつけしっ責したり酷い時は邪魔もの扱いされ、物干しに長時間吊るされたことさえあったというのです。暴力や心理的優越による母親の支配的コントロールはAさんに強い心理的衝撃を与えています。Aさんは反抗することなく、母親の顔色を見て母親の暗黙のルールに合わせることを学んだのです。そのまま育ったので、大人になっても人の顔色に敏感になりやすいのは当然至極なのです。
不安定な愛着環境で育つと、自分にこだわること、意地をはることで自分を保とうとします。人に支配される恐怖があるので、自分が折れたり、人に負けることに強い恐怖を感じ、異常なほどの負けず嫌いになりやすい面もあります。意志は強いものの、人と適切な人間関係を結ぶことは難しいため、ゆっくりと幼少期の記憶を辿り、その時の体験を言葉にして頂きました。
過去の傷と向き合うことを繰り返し進めていくと、ある時からAさんに変化がみられるようになりました。話をしていく内にAさんは忘れていた身に起こった出来事を思い出し、客観的に振返っていくことが増えていきました。当初はあまり自覚されていなかったのですが、振返ってみると、幼少期から他人の気持ちや顔色に敏感にならざる得なかった恐れ、悲しみ、怒りの物語から、楽しかった経験や親が努力してくれたことをふと思い出されたのです。そして、次第に縛り付けていたとらわれから解消され愛と赦しを感じられたのです。
Aさんの場合は、親との傷ついた関係を封印していて、その結果、親以外の対人関係においても神経過敏で不安定になりやすく、人を操作・支配出来ないと感情が抑えきれなくなり攻撃的になっていたのです。半年位の様々なカウンセリングでクライアントさんは自分をしっかり癒し、他者との絆を結ぶことに怖さがなくなったのです。